♣5月号  子どもと生活する幸せ ♣

2016年04月27日

理事長コラム

      子どもと生活する幸せ

五月の幼稚園は、鯉のぼりがさわやかに舞う。
「花組さん、ようちえん たのしいですか?」
「竹組さん、ホールでの給食、残さずたべていますか?」
「松組さん、花組さんのお世話ありがとう。」

 今年の花組さんは、泣く子も少なくて、それぞれ自分の居場所が見えるようになって、幼稚園生活を楽しんでいます。
慣れるにつれて、いたずらの範囲も広がって、スタッフは、小脇に抱え、背にオンブで、着替え、洗濯、トイレ・・・洗濯場と下足入れ場を往ったり、来たり、悲鳴をあげています。

 子どもたちが降園した保育室。 床にべったりの状況で、忘れ物の整理をしながらの報告会。 楽しい笑いで輝いています。
ホールのデッキ前、スタスタよちよち逃げる花組さんのY君。その後を「もう可愛くて かわいくて・・」と追いかける先生。
この状況の中で、子どもたちは、目に見えるもの手に触れるもの、砂場も芝生もビオトープも何もかも珍しく・・・自由に触れられる開放感をワクワクしながら楽しんでいる様です。
保護者の方々においては、園サイドからの気配りに欠ける面が、多々あるかと存じますが、当分の間、この追いかけっこの状況が子どもたちの成長への大切な過程として、ご理解のほどよろしくお願いします。

 例年のことですが、お母さんからのご相談の事例。

 Q「門前で泣いて私から離れないで困るのですが・・・」、
A「泣くことで自分の不安を表出し、周りを観察しているのでしょう。自分の居場所が見つけられるまでです。おかあさん心配なさらず。サッサとサヨナラしてください。」

 Q「心配で家に居られません。園で見学していてもよいですか。」
A「お母さんの心配が、お子さんにそのまま伝わります。
周辺をウォーキングしていてください。汗を吹きふきお迎えするお母さんの笑顔が、お子さんの不安を拭ってくれます。」

 Q「泣くのはお前の育て方が悪いと責められるのですが・・・」
A「決して育て方が悪いわけではありません。自分の居場所が見つかれば、気持ちが安定します。もう20年前のことですが、お父さんが、六か月ぐらいの赤ちゃんを両手で抱えて頭上に持ちあげてあやしました。その途端、火がついたように、赤ちゃんはワーッと泣きだした。『この赤ちゃん、きっと運動会で一等賞!で走りますよ。』の私の一言にお父さん苦笑い。その後、『先生の言う通りあの坊主、学校対向選抜リレーのアンカーで表彰されました。』お父さんから年賀状。6カ月の赤ちゃんで恐怖心がわかるということは、潜在的な瞬発力に繋がると私は考えています。年少児が泣くということも同じことでもあります。」

 心は、見えないが『思いやりの心』は見えます。
四才のお誕生を迎える頃から、「周りを見る目<視野>が、ずーっと広がってきます。
友だちや家族・・・、周りの人たちの心を読み取る心が育ってきます。周りの人を心で受け入れられるようになってきます。

 この時期、ブランコを取り合っている年少さんを見ると、松組の年長さんは、駆け寄って手伝います。
多くの竹組さんは、見て見ないふりをして通り過ぎていきます。
去年の年少の頃の自分を見るようで、速足で通り過ぎるのでしょうかね。成長した証ですね。
竹組さんは、年少組のころに比べて、対面ではなくグループで先生の話を聞いたり、話し合ったりする場も多くなります。
真剣にお話を聞く機会も多くなり、聴く態度が身についていきます。お家でも絵本の読み聞かせの機会をお勧めします。

 幼稚園という「学校」は、子どもたちが遊びを通して、「人間としての生き方」となる「自立心」を学習していく集団教育の場です。両親に代わってCARE(養護)を柱とする保育所と目的を異にします。
年長松組は、「年長になったという自負心」が、なわとび、コマ回し、ドッチボール、手芸・・・と具体的な目標にチャレンジする意欲を大切にしています。
年中竹組で学んだ「話をしっかり聞く力」は、年長になると、自分の思い、自分の考えを描画活動や音楽、身体表現等を通して、周りの人たちに伝えていく「力」として育っていきます。

 オランダのイエナ学校で研修した「子ども同士のサークル活動」を通して、「生きる力」「考える力」「表現する力」・・・を学習できるように、教師は子どものサイドに立って子どもの生活を見守り援助していきます。
そうした教育的なカリキュラムのもとで子どもたちは、「相手の心の中に映る自分」を見る目を学んでいきます。
国会でも話題になったヘッグマン教授の「質の高い幼児教育の重要性」について考えてみます。

 ①「就学前に質の高い専門的な教育刺激をうけておかないと、その時期にしか発達しない能力が発達しない。」

 ②「就学前における能力の発達があれば、就学後における教育の効果は大きくなる。しかし、それが無ければ、就学後の教育効果は小さくなってしまう。」

 幼児は、あそぶことで、「人生のアンテナ」を身につけていきます。「コンピューターに頼るIT社会」だからこそ、それぞれの子どもが、自分の特性を生かす人間本能のアンテナが必要です。                                        子どもは、成功と失敗を繰り返して成長していきます。

 子どもたちが幼稚園で学ぶこと
「やりたいこと、自分で、できること、そして、やらなくてはいけないことをしっかり考えて、友だちとあそぼう。」。

 新緑のゴールデンウィーク、さわやかな風を受けて江戸川に沿っての散策。

 皆さんのご参加楽しみにしています。