♣6月号 うさぎとかめの生き方♣

2019年05月22日

トピックス

年長になって最初のお絵かきの時間。園庭や公園の樹を描きました。
「木は生きているんだよ。傘のように広がった枝の下まで土の中で根が張って、水や養分を吸い上げて葉っぱの先まで送り込んでいるんだよ」「森の中の木は、みんなの木が太陽の光を受けられるように、まあるくひろがるんだよ」
「さぁ みんなの心の画用紙に木を描いておはなししてみよう」
「木が笑っているかな? 踊っているかな? お腹をすかしているかな?」
子どもたちは,あらためて木に抱きついたり、耳を傾けたりしてあそびます。
心のキャンパスに描けた子どもたちは画用紙とパステルで一気に絵を描きます。
ブランコや滑り台のある楽しい木、幹に水タンクが描かれた樹、小鳥や虫があそんでいる木、様々な樹木が描かれます。
一点一点を展示して、一人一人が、気に入った絵を選びます。選ばれた絵は、技巧的な上手下手では無く、個々のアイデアとか発想などそれぞれの特性の良さを配慮されていて、私たちも勉強になります。子どもたちは、自分の目で自分の気持ちで他人の心や思いを理解するように育っていきます。
心をいっぱいに広げて、お友だちの心を入れてあげて、自分のことのように考えてあげるという考え方が育っていく6月の風景です。

【無償化実現ありがとうございました】
ご挨拶が遅くなりました、皆さんの願いを40万署名に綴って3年がかりで展開した幼児教育無償化の請願運動が実って、国会を通過しました。
皆さんのご協力のほどあらためて厚く感謝します。当時中心になって運動してくださって卒園された保護者の方々には感謝の気持ちだけでもお伝えできればと願っています。
10月から実施されますが、従来通り銀行口座から納めていただいている納付金は従来通りです。お支払いいただいた保育料のうち、教育費の一部として月額25700円を上限とする全国一律の補助金を船橋市から3月ころまでに、皆さんのお手元にまとめてお戻しすることになります。
詳しいことは市町村を通してお知らせすることになります。健伸幼稚園は私立幼稚園ですので保育料も上限以上の金額(28000円+3000円)がかかります。
送迎バス費用、教材費、給食費等の実費費用もかかりますので、マスコミが報道する全額無償ではありません。教育費の一部(25700円)をそれぞれのご家庭に補助されるとご理解いただければ幸いです。
なお就園奨励費制度は廃止されます。船橋市から交付される私立幼稚園家庭への補助金は、今年度に限り半額2万円の交付。来年から中止になります.。
この無償化制度が実現することで、質の高い幼児教育をうけられるようになったということになるよう健伸幼稚園のスタッフ一同、より一層研修に努めます。

【卒園生 谷川兄弟の活躍】
「今日は朝から怖かった。ずっと怖かった。」NHK体操競技会で優勝した谷川翔君のインタビューの一声でした。競技の始まる直前、テレビのカメラに向けて戯けたサインを送る翔君を見て、逆に「プレッシャーで緊張してる?」と心配していました。
昨年のNHK杯、優勝直前の最後の鉄棒で落下してチャンスを逃した翔君が、20歳になっての再挑戦。私は、テレビ観戦でしたが、チャンネルを変えたり戻したり緊張で恐怖を感じました。それだけに、鉄棒の着地の瞬間、腰が抜けるほどほっとした状態でした。
120%の努力を積み重ねてたてた「目標」、
死にものぐるいでつかみとった「栄光」、
「やったぜ」という「自分への達成感」
20歳の谷川翔君は、苦しい練習の結果、素晴らしい体験ができました。
翔君が言うように、これからが大変です。シュツットガルドで開催される世界選手権では中国やロシア、アメリカの選手のレベルは遙かに高いそうです。これから数ヶ月、今度は日本代表というプレッシャーを背負って死に物狂いの練習。さらに人間として大きく育っていくことと期待しています。
2位になったお兄ちゃんの航君は、「兄弟で世界選手権に挑戦する喜び」を語っていました。弟とは言え、ライバルです。後半追い込んで弟とのトップ争いはまさに僅差でした。幼稚園での報告会の時の印象に加えて、社会人になってますますたくましく成長した姿に、まぶしさを感じました。
今原稿を書きながら、「ウサギとカメ」のお話しを思いだしました。
ウサギの油断大敵の教訓話から、現代風のマラソン競技と水泳のインタバル練習方法、現代風の「働き方改革」論議までさまざまです。
お兄ちゃん航君は、オリンピックチャンピオンを目標とするウサギの練習方法。目の前の階段をクリアーして実績を積み上げざるを得ない弟の翔君は、まさに「かめ」でした。結果的には二人とも仲良くゴールインできました。
二人は幼稚園時代、どんなお子さんでしたか?とよく聞かれます。二人とも運動能力だけでなく翔君はスター性をもっていてお兄ちゃんは地道な努力家でした。幼稚園から中学まで付き添って指導してきた倉島先生や木下先生が、二人のこれからの方向性も見えているのではないでしょうか。
お母さんを始め二人の教育には熱心で幼稚園の頃から様々な体験企画には積極的に参加していました。なによりおばあちゃんを始めご両親が熱心で二人は、明るい家庭で育ちました。
最後になりましたが、5月の10連休に際して「先生たちもおやすみをとられたら・・・」とご理解をいただいた各ご家庭のご協力に感謝申し上げます。
先生たちも当番制で出勤して生き物の世話など当番でやりくりしました。
働き方改革でこれからそれぞれが多様な形で生活スタイルが交差していくようになります。昔のように「太陽が昇って朝が始まり。日が落ちると共に、それぞれ家庭に戻り一日の生活が終わる」という時代は終わりました。
これからは、多種多様な国々の人たちと肩を並べて、多種多様な生活スタイルのバランスを如何にとれるかが課題ですね。朝日が昇る頃に帰宅して昼出勤。夕刻出勤して明け方まで働くというクロスワルパズルのような生活形態の中で子どもたちをどのように育てるかが課題ですね。
24時間一定の有給休暇を保障されながら24時間を効率的に作業する。
ウサギとカメに例えれば、コツコツ働く亀方式の生活から、ウサギのようにインタバルで働く方式になるのかもしれません。
それだけに「子どもは風の子太陽の子」という教育課程を大切にして、
みどりと水と太陽と土にまみれてなお伸びる環境を大切にしたいですね。