♣新年号 理事長コラム 「浜田廣介の世界 泣いた赤鬼」

2020年12月27日

理事長コラム

新コロナ感染対策でお祝い事も自粛、5人以上の会食も自粛、盆暮れの帰省も自粛・・・・     幼い子どもたちもマスクをしての我慢、忍耐の一年でした。みんなで頑張って手洗い、うがい、おそうじ、、、しっかり頑張ってくれました。

しかし、残念、終業式をライブ配信になりました。子どもたちの健康安全保護ということの決断でです。ご了解いただきたくお願い申し上げます。

念のためpcrの検査を受けた方々も陰性でした。以後、3学期に向けて教職員の健康管理も含めて積極的な予防策を検討しております。

さて、今年は、どのようなお正月の過ごし方をなさいますか。時節柄、今年はご自宅で過ごされるご家庭も多いかと存じます。

そこで、童話作家「浜田廣介童話集」を紹介してみました。

山形新幹線に乗った気分で、蔵王連山のふもと、夢あふれる童話の里、高畠駅で下車してください。高畠は、徳川幕府の天領で知られたのどかな農作地帯です。藤沢周平の「老いること すなわち生かされることなり 日の残りて暮るるにいまだ遠し」の老境の心境を反芻する香りもします。

温泉ホテルのある高畠駅の駅舎では「赤鬼と青鬼が、迎えてくれます。」

ココロノ ヤサシイ オニノ ウチデス。

ドナタデモ オイデ クダサイ

オイシイ オカシガ ゴザイマス。

オチャモ ワカシテ ゴザイマス。

高畠は、「泣いた赤鬼」の著者、浜田廣介のふるさとでもあります。

サクランボ、ラフランス、葡萄、モモ、果物の畑に囲まれた瀟洒な館は、「泣いた赤鬼」「ある島のキツネ」「むくどりの夢」を書いた「浜田廣介の童話館」です。豪雪地帯なので今頃は、雪に埋もれているかもしれません。

だいぶ以前のことですが、高畠の「むくどり幼稚園」に助言者として、伺っていたことがあります。廣介の「むくどりの夢」の名称を継いだ「むくどり幼稚園」の子どもたちは、素朴で元気で子どもらしく、その子どもたちに魅せられて3年ほど通いました。

子どもたちが描く描画の世界はドキドキさせられ廣介の世界でした。

浜田廣介は高畠出身の童話作家です。幼児を目の前にして、幼児に向かって語りかけるような文体が特徴です、この語りのリズムが、子どもの心に 絵が描かれて、おはなしの世界が広がっていくのでしょう。

廣介の童話をお母さんから読み聞かされて育てば、小学校での国語を保障しても良いほど文章にリズムがあります。そこで廣介童話の代表作「小さな島のきつね」出だしの部分です。お子さんに読み聞かせてみませんか。

「小さな島のきつね」

「小さな島が、ありました。まっかなツバキが咲いていました。

うららかな日にてらされて、花は、みな、ふくれていました。

いま、咲き出そうとしているつぼみもありました。

青黒い葉は、つやつやと光っていました。

そして、青い海の上には、いくつかの帆が、銀のようにかがやいて、

うごくともなくうごいていました。」

いかがでしょうか。独特のリズムで絵筆で絵を描く様な楽しい気持ちになりませんか。

廣介童話の第2の特徴は、グリム童話や日本の民話と異なって廣介が描く登場する主人公は「善の心」を持った善人ばかりです。廣介は如何なる境遇にあっても、決して他者を恨んだりよからぬ噂話を流したりして人を落とし込めることはしません。

心理的に見れば幼児は、人間本来の純粋さと残酷さを持ち合わせているのでしょうが、廣介童話は善意で通します。

廣介の長女である留美さんの廣介伝を読むと、廣介の生まれ育っていく境遇は、かなり複雑です。しかし、いつも彼の周辺には、彼の文芸才覚を大切にする叔母や校長や友人が居て、廣介を「ほめてほめて」支えたそうです。

この信頼の強い絆が、廣介童話を貫く「友を信じるやさしさ」「信じることを貫く輝き」なのかもしれません。

「泣いた赤鬼」に描かれた「友を信じる廣介の世界観」は、物や他人と心を共有できる心の深さかもしれません。老いて身体が動かなくなるぶんだけ、心を広くして、時として、見えないふりをする、聞こえないふりをする、気がつかないふりをすることも必要なのかもしれませんね。

廣介動画が描く「泣いた赤鬼」の世界は幼児教育の基本です。

また、今年のような「新コロナ感染」の怖さの中で、人間と人間がお互いを信頼し、尊重する心のゆとりが問われる時に、「泣いた赤鬼」をお子さんに読んであげてみては如何でしょうか。

人間たちと仲良くなりたいと願う赤鬼に、村の人たちは心を開きません。見かねた親友の青鬼は、「自分が村人をいじめる悪役になって、暴れるから、そこへ赤鬼の君がやってきて、乱暴を働く青鬼のぼくを本気でやっつける」ことを提案します。

村人を助けた赤鬼は、青鬼の計略通り村人に信頼されて歓迎されます。

村人と仲良くなった赤鬼は、いまはすこしも さびしいことはありません。だけど日がたつにつれ、心がかりになるものが、1つぽつんと とりのこされることに赤おには気がつきました。それは、ほかでもない青おにのこと・・・・親しい仲間の青おにのこと、青おにが、あの日に別れてから ただのいちども訪ねてこなくなりました。

そこで赤鬼は、山を越え谷を越えて、やっと訪ねた青鬼の家は留守で、戸口に張り紙がしてありました。

「あかおにくん にんげんたちとは どこまでも なかよく まじめにつきあって たのしく くらしてください。ぼくは しばらく きみにおめにかかりません。このまま きみとつきあいをつづけていけば、にんげんは きみをうたがうことがないともかぎりません、それでは まことにつまらない。それでぼくは これからたびにでることにしました。ながいながいたびになるかもしれません。ぼくはいつでもきみを わすれますまい どこかでまた あうひが あるかもしれません さようなら。きみ からだをだいじにしてください。いつまでもきみのともだち」あおおに

赤鬼は黙って読みました。扉に顔をつけ額をつけて、なんども涙を流して泣きました。

この場面は、私の様に年齢を重ねた高齢者であっても、心がこみあげてくる場面です。

新コロナ感染者が日本でも20万人を超える勢いで広がっていきます。

12月は本来、子どもの願いが星の様に輝いて、夢が舞う心が躍る時期です。サンタクロースの街、フィンランドのロバニエミからのうれしいお便りが届きました。もう10年前になりますが、フィンランドのラップランドの奥深いサンタクローススクールで草野・久米の三名のスタッフが研修をして、サンタクロース補佐官のトンツーのディプロマを取得しました。

情報によると、今年も世界中に向けてサンタ郵便局からクリスマスカードが発信されて、サンタクロースも出発したそうです。

世界中に広がったコロナ感染の暗い環境の中で頑張った子どもたちへのご褒美として、12月24日サンタの国から各ご家庭にサンタクロースがメッセージをおくってくれるそうです。今からわくわくしています。

母の会を始め保護者ご家庭の温かいご理解を頂きました。おかげさまで二学期の教育課程をどうにか終了することができましたこと感謝申し上げます。

この貴重な体験を3学期に向けて充実した時間として過ごせるよう努めます。

始業式に、元気でお会いできるようお子さんをよろしくお願いします。