♠5月号  今は我慢のとき

2020年05月01日

理事長コラム

心も体も重いけど
地球が元気になる日まで がまんしよう
いつも あの大きい木に  とりが いっぱいあつまって
歌の練習をしている    でも さいきんは いない
鳥さんも コロナで おやすみかな
読売新聞にコロナ感染で休校になった子どもたちの詩が掲載されていたので紹介します。      小学校2年生の藤原莉咲さんの作品です。
気のせいか私の周辺からも鳥が少なくなった気がします。いつもの年の空と変わらないのに、散歩道でよちよち並んで歩いていた鳩も雀も・・・・電線に並ぶあのカラスも見かけなくなりましたね。莉咲ちゃんの言うように、ツバメも雀もコロナ感染の心配が無い田舎に越してしまったのかもしれませんね。
鳥や虫は、特殊な本能があって、地球の空気の汚れが見えるのかもしれません。 私の幼少の頃は木下街道は、でこぼこ道で牛や馬が糞をたれながら重たい荷車を引いて交差していました。空は澄んでいて、どこからも富士山がよく見えました。カブトムシ、クワガタ、鬼ヤンマ、バッタ・・いろいろな鳥がいて、夏はオーケストラのように賑やかに鳴きました。
核実験等で地球を傷つける人間への逆襲として「新コロナ菌」の感染をとらえるとしたら、心がさらに暗く、重さを感じさせられますね。
この春、小学校を卒業した 景山ももかさんの詩を紹介します。
小学校6年間の最後の日  大量の手紙と大量の一年間の作品と
道具箱と小学校最後の通知表をかかえて  「重い 重い」と家に帰った
もえかさん感じたこの重さは、先が見えない学校休校への重さなんでしょうね。
中学2年生の成島さんは、学校休校への重い暗い気持ちを詩にしました。
気持ちの整理がつかない  まだ2年生だとおもっていたのに
マスクないって さわいでいたら  学校が休校
なんか よく分からない
休みが明けたら受験生  もう少し時間がほしかった。
子どもたちは、友だちと交わることで気分が軽くなるのでしょうね。
コロナで休園になっても、健伸の先生たちは、いつものように竹箒で毎朝、園庭の掃除をしています。本来なら、子どもたちがあそんだ跡があちこちにあって、忘れ物や落とし物があるのに、・・・・昨日のままの整然とした園庭が重く寂しく感じたりします。あらためて子どもがいない幼稚園は重くて寂しい。
ぎゅーとなにかが つまっている  ポタリッと なにかが こぼれている
あぁこれは きっとあれだな    毎日当たり前のように友だちと
笑っていた笑顔がたまっている   毎日当たり前のように会う友だちと会えなくて
涙の蛇口がひらいている(中学2年)

かあさんが言った「学校に通えるって平和ってこと」 ぼくは「だね」と返事した
そして思った  「がっこうであそびたいな」(小学3年)

 

普段当たり前と感じていたことが、コロナで休校になってはじめて、友だちと交わることの喜びと幸せを感じたのでしょうね。
健伸の子どもたちも「幼稚園であそびたいなぁ」とおもっていることでしょう。幼児だから、小学生や中学生とは異なり、言葉や文章で自分の気持ちを周りの人に伝えることがむずかしい。それだけに、心に浮かぶ思いは大人以上に膨らんでいるから、思うように気持ちを伝えられない時は、ストレスが爆発して、思わぬ乱暴な言動をおこしたりします。ましてや、このコロナ感染で部屋に封じ込めれての長期間の生活。子どもにとってはやりきれない毎日だと思います。
「なんで?ようちえんへ いけないの?どうして!」 「友だちとドッチボールやりたいな」
「ダンゴ虫つかまえたいんだよ」「いや!」「どうして!わたしが?」
「よっちゃんとスベリ台したいな」「ゲームかって!」 「ブランコでおもいきり こぎたいな」
いつもなら園庭を走り回り、体育館で、でんぐり返し、友だちと歌い笑う生活を積み重ねて発散できたのに・・・・「おうちのかたがたには、ご面倒をおかけしていること」申し訳ございません。
「千葉市では、幼稚園の休園は当面5月17日まで延長になりました。したがって、5月7日・8日で予定していた始業式・入園式も、断腸の思いで順延にしました。申し訳ありません。さらに阿倍総理の記者会見で緊急事態の自宅待機期間がさらに延期される深刻な事態になりました。
船橋では小学校や保育園が5月31日まで休校になりました。何とも言えない気持ちで毎日空を見上げています。
今後継続して国と千葉県の動向を注視しながら、慎重に子どもの心と体の健康安全を第一義として、何らかの方法で、短時間・自由登園方式でも開園できるように当局の指示許可を待って準備をしています。
心身の発達の著しい幼児にとって、この2ヶ月間の集団生活でのブランクは大きく、特に年長5歳児にとっては、子ども一人ひとりの発達に沿った教育カリキュラムの再編成が緊急の課題になってきています。
休園期間を利用して、スタッフが、本学院の青木久子理事の指導の下に知の探求シリーズ12の輪読研究に取り組み研修を重ねています。
「この底冷えの時期を じっと我慢を重ねれば、やがて明るい春が訪れてこよう」
と、揺らぐ心を抑え、強い心でテルワーク等を導入して研修に励んでいます。
その上で、それぞれの子どもの安全健康を第一義として、それぞれのご家庭のご協力をいただき、動画や電話を含め新しい保育システム等を探りながら、保育の正常化の実現を目指していくつもりです。
先日の教務会議で子どもの事例として3月の保育風景が報告されました。
「4歳児、マスクをしながら5人でボールあそび、3人の子が「ずるいよ」「ずるいよ」とテンションも高く叫びました。止めに入ろうとした矢先、詰め寄られた子が、「くっつくなよ! つばがとぶから!」と言いながらしゃがんだ。その瞬間、子ども同士のいざこざが収まりました。
例年ですと、レンゲが咲く江戸川堤を家族でウォーキングのファミリーデイ。手こぎの渡し船に乗って柴又の帝釈山で寅さん団子を食べたりご家族で楽しめるはずでしたが今年は残念です。遊戯室体育館の工事もいよいよ棟上げの段階です。プールの新装工事も始まります。プール開きに間に合います。
新入園児の花組さん。楽しみにしていた幼稚園に通えなくてごめんなさい。 せめて近々に、個々の親子面談でもできないものかと検討を重ねています。
ご面倒をおかけします。恐縮するばかりで申し訳ありません。