♠1月号 初夢10年後を夢見る 綠の地球を守る  ♠

2019年12月20日

理事長コラム

2020年、世界中からお客様を迎え、国を挙げておもてなしをするオリンピックがいよいよやってきます。台風は?地震は?テロ対策は?受け入れホテルは?・・・マスコミは、金メダルに偏りがちですが、もっと大切なことは、国民一人ひとりが、世界各国から来日されるお客様を「おもてなし」をする心と実行力が問われますね。
先のオリンピックは、昭和38年、銀座通りに都電が走っていた頃、京橋あたりでジェット機が五色の輪を青空に描く勇壮な姿を仰ぎ見ました。
あれから半世紀、経済大国になった日本。世界平和に向けて「緑の地球を守ろう」発信できたらステキですね。
令和2年を迎えて、わたしもこれから10年先を夢見てみました。
これから10年、時間は走り、日本の社会もすごく変わるでしょう。
人間ができる仕事はロボットが代行くれるでしょうね。
子どもたちが空飛ぶ送迎バスで通園してくるドラエモンの世界です。
月世界ツアーも実現可能かも・・・。
10年後だと年長さんは高校生ですね。手足と背筋がスラリと伸びて、緑のキャンパスで同時通訳器を駆使して、多国語でイギリス人や中国人と語り合っているかもしれません。
「大学受験はどうするのかしら?」
10年先は今の入試制度なんてありませんよ。大学は世界に開かれていて受験勉強は昔の話です。自分の研究するテーマーを世界中の大学で専攻できるようになるでしょうね。
ノーベル化学賞を受賞した吉野博士のおかげで、空飛ぶ自動車の夢が実現するでしょうね。電柱や電線は必要ありません。飛行機も電池で飛べば宇宙旅行も可能です。
「そんな時代に生きるために今から準備することは?」
料理、建築、語学、パソコン・・・今習い事で学習する技能等は、ロボットがすべて代行してくれると思います。
「今、小学校や中学校でやっておきたいこと・・・?」
アフリカのジャングルで獣と共に育ったターザンをご存知ですか?
山も木々も獣も鳥も虫も友だち・・・ターザンは、ジャングルでも生きていける「体力と感性と知恵と直感力」を身につけて育つ映画のお話しです。
このターザンは、映画の画像から飛び出して「AI社会」にもどってきたらノイローゼになってしまうかもしれませんね。しかし、教育システムが確りしていれば、幼いときに「野生能力」を身に付け、生きるための脳を鍛えて育ったターザンは、ロボットを友だちとしておつきあいできるかもしれませんね。
「家庭や学校が子どものためにやってあげられること?」
アメリカのロックフェラー財団一家は、後継者にアフリカ生活を体験させて後、ハーバード大学で学べるように厳しい英才教育をするそうです。
今、日本でも弥生氏時代に戻り、弥生時代の原始的な生活から生き方を学ぶプロジェクトが注目されています。ジャングルで石斧で木を切り倒し丸木舟を造り、台湾から黒潮に乗って太平洋を渡った日本人の先祖のルーツをたどったりしています。

AIの時代だからこそAIの機能を競い合う学習ではなく、もっと原始的な体験から獲得した人間本来の本能を育てることがとても大切です。
もし可能なら、
健伸の子どもたちを南極の昭和基地で過ごさせたい。
ネパールの山村でテント生活をさせたい。
ゴビ砂漠をらくだに乗って旅をさせたい。
私が36歳の頃、健伸創立の夏休みに教職員スタッフを引率してアラスカ研修にチャレンジしました。4台のキャンピングカーを連ねてマッキンレーへむけてリチャードソンハイウェーを自炊生活をしながら走りました。
また、モンゴル草原でパオに泊まり人工衛星が飛ぶ夜空を仰いだりしました。そうしたスタッフの大自然での素朴な体験が、健伸の柱になりAI時代に生きる力になっていると信じています。
今私たちが子どもたちに伝承することは、地球のすばらしさを体験させることです。その上で、現在に生きる便利で快適で贅沢な生活をしている私たちが、大切な地球を汚していることを知らせなくてはなりません。
これから10年もすると地球の温暖化対策を怠ってきたことを悔いる事態に直面するでしょうね。
今、世界ではミーイズム的(自分だけよければ)発想で民族間の国境の壁を作り始めています。かつてユニオンジャックを翻して世界の海を開いた大英帝国イギリスが、EUからの移民の流入を防ぐため、門を閉じる決意を選択しましたね。こうした狭いミーイズムの濁流が、自然破壊を促し、世界の空気を汚染させ地球の温暖化を深刻化させていきます。
これから10年先。宇宙開発への夢が広がる一方で地球を巡る環境汚染は深刻さを増していくでしょう。水騒動はオイル騒動以上に深刻になるでしょう。
アフガンで井戸を掘り水路を開き綠の大地を開発したドクター中村さんの不屈の精神を受け継ぐ人材が育っていくことを祈っています。
家族が寄り添ってテレビのチャンネルをカチャカチャまわしていた時代、あの頃は、六人家族で二間が平均、寝る部屋も食べる部屋も兼用で家族が丸くなって生活した時代でした。
丸いちゃぶ台の食卓、家族間で会話があって、人の気配で家族のそれぞれの思いを察しあった時代。あの頃はお正月も丸かった。故郷の風景も丸い山に囲まれて家並みも丸かった。
テレビが普及して、ユニットバス付きの団地が普及して高層ビルが建ち、家族全員がテレビの映像を共有するようになってから、丸から四角い生活に変わり。団らんが消えて事務所の会議のような四角張ったイメージに変わっていきました。
そして現在は、スマートフォーン、パソコン、コンビニ、通販・・・家族が、独り一部屋テレビ付きで食事もばらばら、隣室からメールの会話、チンすれば食事ができる便利な時代に変わってきました。
「子どもは子どもらしく」と同時に私たちも「人間はより人間らしく」生きることが幸せなのかもしれませんね。
子どもたちが空を飛んでいる嬉しそうな笑顔に囲まれている夢から目が覚めました。
末筆になりました。母の会を始め各ご家庭の温かいご理解をいただき、おかげさまで新しい平成2年のお正月を迎えることができました。
ありがとうございました。