8月号 ♣感謝 子どもの輝きのために生きる日々♣

2018年07月18日

理事長コラム

感謝 子どもの輝きのために生きる日々

天候異変の豪雨で西日本の各地で、大きな被害がでています。核実験、経済優先政策による光化学スモッグ、山林開発等が影響して地球の温暖化等が大きな原因なのかと心配しています。
そして、人々は、便利な生活を求めて、都心に住居を求め一極化が進行します。急傾斜の開発地におしゃれな新興住宅が建ち並ぶさまは、日本の代表的な景観にもなっていますね。それだけに、台風や豪雨などによる土砂災害の心配も充分考えられます。
海に面した平地は、東北の津波災害以来、少しでも高いところという指導に沿って、住宅開発が進められています。その結果、森林開発による樹木の伐採、河川の流れの変化や傾斜地を開発した新興住宅地の影響等が、自然災害の原因の一因と指摘されると、日本全国、安全な場所がなくなりましたね。
気のせいか災害がある時期は、今回のように連続した酷暑の日が続いたりします。被災地の方々の飲料水や生活面の不便さ、共同トイレの使用等の精神的な苦痛を察し、いち早い復旧を祈り、何らかのお手伝いをしたいと思います。
日本は、四面海に囲まれた80%以上が森林丘陵地帯。それだけに自然と共生していく知恵と自然愛が問われますね。
こうした影響もあるのでしょうか、上空から撮影して山の中の一軒家を取材する等のテレビ番組が視聴率を高めています。カメラが道なき道を訪ねてみると、かつては家族でにぎやかに生活していた大きな家屋に、お年寄りが寄り添って生活している姿に出会ったりします。また、数10年ぶりに昔の住まいを訪ねてみると、廃墟の中で昔の生き生きとした活気ある頃の写真が残されていたりします。
自転車やオートバイや路線バスの旅で、素朴な地方の茶店や旅館などを訪ねるTV番組も人気がありますね。
NHKのBSTV「こころたび」は、視聴率が高い人気番組です。
視聴者から寄せられた手紙による昔懐かしい心に残る風景を日野正平さんが自転車で訪れる番組。山里の活気のあった小学校が廃校になっている。通学に利用していた電車が廃止され懐かしい駅舎が雑草の中に佇んでいる・・・。
都会の狭いスペースに、人々が重なって生きている一方で、一歩奥に入ると、無人の古い民家や、公民館や人通りのない商店街が廃墟となって佇んでいる。
昔は、夏は、神社の縁日や祭りで人と人が触れ合って交差して行列をなしていたのに、今は、夏休みになっても村の祭りを継承する人もなければ、あの「柴又の寅さん」のように行商する人もいなくなった。そして、神輿を担ぐ人も笛太鼓を奏でてくれる村の衆も少なくなってきたという。
今でも、学校が夏休みになると、特にお盆の頃は、ほとんどの方が郷里へ帰省されます。都市の子どもたちも、長い夏休みは両親の郷里でおじいちゃん、おばあちゃんの手料理で田舎の空気をたっぷり吸い込むことが出来ます。
ところが最近は、おじいちゃん、おばあちゃんも都会人になって、帰る郷里が無くなってきているそうです。

江戸時代、「三代は、江戸に住まなきゃ江戸っ子じゃないよ」と云われた時代がありますが、戦後80年、当時、集団就職で郷里を出て東京に移住した人たちも、すっかり東京に定着して隠居生活するようになり、帰るふる里を持たなくなった人が多くなったそうです。したがって、ふる里である郷里は、先祖の墓参だけが残るだけで、いわゆる生家も実家もない方が増えているそうです。
それでも夏休み、お盆休暇は、帰省ラッシュで高速道路も新幹線も飛行機もラッシュです。郷里へ帰省される方は大変でしょうが、私のように郷里を持たない人間にとって、故郷のある方をうらやましく感じます。
この機会に、お父さん、お母さんが生まれ育った「ふる里の海を山を川を」たっぷりと子どもに刷り込んでいただく体験が最高の子どもへのプレゼントですね。
子どもたちが成長したときに、日野正平さんの「こころたび」の1頁となるおもいでになることを願っています。
郷里の無い方も、夏は郊外に出て自然を浴びるチャンスです。幼いときの旅の思い出は、記憶から薄れても、身体にしみこんで成人してから旅に出る自然を楽しむ「心の芽」になると思います。
この夏は、できるだけ、地方に出て地方に民泊して地方で食べ、あそび、地方の経済の活気に貢献してみませんか。今回の水害の被災地の様子を見るにつけ、人口の一極化を抱えた日本という島国の未来に不安を感じたりします。
日本列島を自転車やオートバイ路線バスで旅する番組を見るたびに再認識することがあります。それは、孤島でも森閑とした山林地帯の隅々までも道路はコンクリートで舗装されていることです。島でも山でも山間部でも道が舗装されて電線が配線されています。ある意味では、日本中がコンクリートで化粧されている気がします。コンクリートで化粧された大きなダム、河川、海辺の堤防そして大都会の高層ビル、ビル、ビル・・・まるで日本列島は、コンクリート文化ではないですか。
山の奥まで開発され、伐採され、山が削られ、地下が掘られて、最後は、コンクリートで固めらています。便利になりましたがそのぶんだけ、自然破壊がすすんでいるのかもしれませんね。
このコンクリートの環境の中で本格的な夏を迎えます。
長期的予報によると、この夏の日本列島は酷暑とのことです。
じりじりと照りつくような日差しと照り返しの中で蒸し風呂のような酷暑を迎えます。
旧暦の7月7日(今の8月8日頃)になると天の川を挟んで二つの星が輝き、月が舟形になって、織り姫と彦星のデートの渡しをしてくれるそうです。昔の人は澄み切った空を眺め、自然に感謝したんでしょうね。子どもたちが短冊に書いた願い事がかなわなかったお友だちは、8月8日の夜、もういちどおねがいしてみたらいかがですか。
いよいよ年長のお泊り会です。もっと山深い「君亀の少年の家」に三年ぶりにもどります。子どもたちの心のアルバムの良きページとなるように努めます。
君亀の広い傾斜の芝生に寝転んで星に願いを込められたらしあわせですね。
母の会を始め各ご家庭のご協力もあって、無事前期の教育課程を修了できました。
あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。