♠10月号 秋の風には情(こころ)がある ♠

2019年09月18日

理事長コラム

今年の夏も酷暑、台風・ハリケーン、地震等・・・この地球環境の異変を真剣に受け止めなくてはいけませんね。
特に千葉県をおそった15号台風は、風速も雨量も最大規模で、「自宅の窓が外れたり、破損したりするのではないか」不安で眠れぬ一晩を過ごしました。停電、断水、交通麻痺・・・未だに県民の日常生活が遮断されています。被災に遭われた方々のご心痛を察します。
秋きぬと目には さやかに見えねども
風の音にはおどろかれぬる(藤原 敏行)
熱暑は続きますが、やはり秋の気配ですね。秋には特有の風情があります。風の向きも、風の色、太陽の色・向き・光・傾斜も、すっかり秋ですね。
秋の風には色があります。
9月の風は、オレンジで、
10月の風は青く輝き、
秋の風には人を恋する情がありますね。
まだあげそめし前髪の リンゴのもとに見えし時
前にさしたる花櫛の花ある君とおもいけなりり
やさしき白き手を延べてリンゴをわれに与えしば
薄紅の秋の実に人恋そめし はじめ 〈島崎藤村〉
初恋は、想いが結ばれないから、淡いリンゴの味なんですかね。
「私はリンゴ、あの時、揺すってくれたら落ちたのに・・・」
こうした乙女心は昔の時代、今は揺すってくれるのを待つ青年が多くなったと言われます。初恋は幼稚園の年長の秋の運動会の頃から、お嬢さんは、男の子のかっこよさに、男の子は、女の子の優しさにときめきを感じるそうです。
「お父さん、お子さんと秋の夜道を散歩してみませんか」
虫の声、木々の気配、淡き光と影。目で見る世界とは異なる耳で、鼻で、気配を探知する力と感性が体験できます。
虫の鳴く暗い夜道を歩くことで、子どもは、お父さんの手をしっかりにぎり、ささやきかけてくることでしょう。「こわいけれどおもしろいね」
秋は、運動会。悩まされるのは秋の気候の気まぐれです。
からりと晴れたり、にわか雨になったり、かんかん照りになったり、木枯らしが吹いたり・・・、運動会の季節になると、園長は空とにらめっこの週末です。
運動会には、人それぞれ、蜜柑のような味の思い出がありますね。
家族そろって校庭で車座になって食べた食事風景の想い出です。
そして 運動会には、喜び、心の高まり、くやしさ、頑張り、緊張、達成感がありますね。
澄み切った秋空、子どもたちの歓声が心地よい風に舞う運動会になるようてるてる坊主を飾って晴天を願いましょう。
お年寄りをの活躍の場を増やす
9月15日「敬老の日」の各紙の一面、「日本の復興を支えてきた団塊の世代も70歳。70歳の高齢者2700万」と報じました。
最近は、高齢者の交通事故の集中報道で、あおり運転されても高齢者であれば、高齢運転が原因と報道されかれない時代です。
先日の健伸の理事会でも「老人と子どものポルカ(じじ、ばばと孫の交流広場)を積極的に推進していくことを確認しました。

例えば、陶芸、編み物・手芸、料理や木工、遊具、習字、そろばんなどの講師として、お年寄りを学童・預かり保育等にお招きしたり、ジャズクラブ、ダンスクラブ等の習い事教室の開園なども考えられます。
かっての仲間が集まって「隠居談義」
座につくなりに、
「近頃の世相は気ぜわしくなった。時計の針は、くるくる回転する」と云いながら、誰とはなくスマフォをいじくっています。
「あれだけ、ガラ携に徹すると豪語していたのに・・・・」
「とにかくスマフォになって世界が広がったね」
「面白いアプリがあって・・・あきないね」
「女房から話を聞いてくれないと評判が悪いが、独りの世界を楽しめる」
「娘たちは、お父さんの位置情報がわかって安心と評判がいい」
「身の安全が第一。どこかで倒れたり道に迷う年齢だからね」
「とにかくささやけば、即座に答えてくれる。こんなこと新婚以来だね」
「ナビゲーション機能だね。到着予定時間まで教えてくれる」
「ナビは、臨席の家内と異なって、道を間違えても、あれこれと指示をし、繰り言もいわずに根気強く誘導してくれる」
「最近は、高齢者向きのアプリもできて・・実に便利になった」
「おかげで孫とラインで、毎日交流。爺はパワハラ・セクハラと注意された」
「ハラスメント?保育中の乳幼児虐待、年寄りは言葉のハラスメントには充分に気をつけなくては・・・」
「閉じこもって効率ばかりを追うと、ストレスがたまってキレる現象がみられる」「大統領がキレてボタンを押しかねない緊迫閉鎖感を感じるね。」
「これからの幼児教育への方向はどうなるかね?」
「時代の要請に応えるスタイルは流れが変われば役割は解消する。」
「今は、経済優先だから、駅中心に銀行、役所、コンビニ等の「生活必需ゾーン」が形成される。保育所が市民の要望に応えて重視されて当然」
「しかし、これから先を考えると、保育所やこども園は、人の営みの流れが変われば、先は暗く将来性は見えないね」
「ところで幼稚園はどうなるの?」
「幼稚園は私立学校や大学、美術館・スポーツセンターと同様、生活憩いゾーンでゆったりと「質の高い子ども本位の教育」を極めていくことになるね」
「無償化は10月から始まるが、特別の動きはあるかね」
「私立幼稚園にとっては、入りやすくなって、無償化は大いに助かる。保護者の負担となる月額納付金が15000円あたりの負担で済むなら歓迎だろうね。 これからは、幼稚園が預かり保育等子育て支援を保育所に準ずれば、保育 所より風は吹き始めたと思っている」
「親の収入で保育料に差を付ける制度は不平等を招きかねない。終局的には、児童手当の充実で家庭への直接同額給付を検討することが賢明であろう」
「最大の課題は子どもを生み育てることの意義と幸せをどのように考えていくかお役所の知恵で無く、庶民の知恵として認識することが重要だね」
年齢を重ねても昔仲間が揃えば、話題も弾む。幸せな時代ではあるが、未来に生きる子どもたちにとって、より輝く住みよい社会をと願う「秋の敬老の日のたわごと」です。
今学期もよろしくご自愛ください。